「フリーランス保護新法ってなに?」
「フリーランス保護新法の施行日はいつ?」
「フリーランス保護新法の対象者は?」
「フリーランス保護新法に違反したらどうなるの?」
「フリーランス保護新法ってどんな法律なの?」
フリーランスでお仕事をしていると、フリーランスを対象とした「フリーランス保護新法」ってなにか、気になりますよね。
この記事では、
- フリーランス保護新法とは何か?
- フリーランス保護新法が制定された背景を知りたい
- フリーランス保護新法の適用対象者は?
- フリーランス保護新法の内容について
- フリーランス保護新法に違反すると?
- フリーランス・トラブル110番はフリーランスの味方
の内容がわかる記事になっています。
フリーランスとして、自分が「フリーランス保護新法」に関係あるのか知りたいと思っていると思います。
「フリーランス保護新法」はフリーランスのお仕事をしやすくするための法律です。
2024年秋ごろに施行される法律ですが、フリーランスとして働くなら知っておかないと損する情報だと思います。
この記事では「フリーランス保護新法」とはどんな法律なのか。
国会で可決されたって聞いたけど、いつ、施行されるのか。
フリーランスで、お仕事でトラブルが起きた時に相談できる場所はどこか。
などについて書いてあります。
この記事には「フリーランス保護新法」について、基本的なポイントをまとめてあります。
「フリーランス保護新法」を知って、安心してフリーランスで働くために、この記事の情報がきっと役立つと思います。
それでは、「フリーランス保護新法とは何か?」から、説明していきましょう!
フリーランス保護新法とは何か?
「フリーランス保護新法」とは、フリーランスで働く人にお仕事を発注する事業者は、報酬の支払期日の設定をしたり、書面による取引条件の明示したりなど、フリーランスの業務委託に対して遵守事項を定めた法律です。
フリーランスで働く人たちに対して、安定した就労環境の整備目的で制定されました。
フリーランス保護新法は2023年4月28日に国会で可決、2023年5月12日に公布されました。施行時期は公布から1年6か月以内とされているので、2024年秋ごろの施行予定になっています。
フリーランス保護新法の規定は「取引の適正化に関する規定」と「修業環境整備に関する規定」の2つに分けられ、「取引の適正化に関する規定」は公正取引委員会、「修業環境整備に関する規定」は厚生労働省が所管しています。
フリーランス保護新法の正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」といい、別名、フリーランス新法と呼ばれることもあります。
フリーランス保護新法が制定された背景を知りたい
現在、フリーランスで個人で働く人が増えたことにより、フリーランスで働く人が安心して働ける法律として、フリーランス保護新法が制定されました。
今まではフリーランスで働く人は、お仕事の発注事業者から不当な行為をされないように、「独占禁止法」や「下請法」などで規制されていました。
しかし、2020年の国の「フリーランス実態調査結果」では、お仕事をしたフリーランスの約40%が取引先とトラブルが起きた経験があることがわかりました。
トラブルを経験したフリーランスのほとんどの人は、交渉せずに受け入れたり、交渉せずに取引を中止たり、今後の他のお仕事のことを考えて事を荒立てない対処をしたという人が約30%いたこともわかりました。
また、取引条件や業務内容が十分に示されていないと思っている人が約40%ほどいるため、フリーランスで働くお仕事でトラブルが発生しないように、フリーランス保護新法の制定が行われました。
フリーランス保護新法の適用対象者は?
フリーランス保護新法の適用対象者は、フリーランスと発注事業者の間での業務委託の事業者間取引についてです。
【フリーランス保護新法の適用対象者】
・従業員のいない、発注事業者から業務委託を受けた事業者(フリーランス)。
・従業員がいる事業者で、フリーランスに業務委託する事業者(発注事業者)
※「取引相手が消費者」「従業員がいる」というフリーランスの人は、フリーランス保護新法に該当しないので注意です。
フリーランス保護新法の適用対象者として、例えば、フリーランスで働くカメラマンの場合は、
【フリーランス保護新法の法律対象】
- 企業の宣材写真の撮影を委託業務として受けている。
上記のような、企業を相手としたフリーランスの方は、法律の対象となります。
しかし、下記のような消費者を相手としている方は、対象外となります。
- 消費者が家族写真の撮影を委託される。
- 自作の写真集をネット販売している。
フリーランス保護新法の内容
フリーランス保護新法の内容は、どんな発注事業者なのかによって義務項目が違います。
分けると、フリーランスに業務委託している事業者で、
- 従業員がいない事業者
- 従業員がいる事業者
- 従業員がいて、継続的に業務委託する事業者
の3つがあります。
それでは、それぞれでどのような義務項目の違いがあるのかを解説します。
従業員がいない事業者の場合
フリーランス保護新法での義務項目はひとつあります。
【義務項目】
- 書面などによる取引条件の明示
つまり、フリーランスに業務委託した時に、「委託する業務の内容」「支払期日」「報酬の額」などの取引条件を書面などで明示することが必要となります。
従業員がいる事業者の場合
フリーランス保護新法での義務項目は4つあります。
【義務項目4つ】
- 書面などによる取引条件の明示
- 報酬支払期日の設定・期日内の支払
※報酬支払期日を発注した物を受け取った日から60日以内に設定し、期日内に報酬を支払うこと。 - 募集情報の的確表示
※フリーランスの募集情報を広告などに掲載する時に、虚偽の表示や誤解を与える表示をしないこと、内容を正確に最新の情報にしなければいけないこと。 - ハラスメント対策に係る体制整備
※フリーランスで働く人に対してのハラスメント行為の相談対応の体制整備をすること。
例えば「ハラスメントに関する相談担当者がいる」「ハラスメントが発生した場合、速やかに対応するなど。
従業員がいて継続的に業務委託している事業者の場合
フリーランス保護新法での義務項目は7つあります。
【義務項目7つ】
- 書面などによる取引条件の明示
- 報酬支払期日の設定・期日内の支払
- 禁止事項
※フリーランスで働く人に対して、継続的に業務委託をした場合は法律に定める行為をしてはいけない。
例えば、フリーランスで働く人に責任がないのに、「発注した物を受け取らない」「発注した時に決めた報酬金額を減額する」「発注した物を受け取った後に返品する」など。 - 募集情報の的確表示
- 育児介護などと業務の両立に対する配慮
※発注事業者がフリーランスに継続的に業務委託する時に、育児や介護などとお仕事を両立できるように、フリーランスの申出に応じること。 - ハラスメント対策に係る体制整備
- 中途解除などの事前予告・理由開示
※フリーランスと継続的に業務委託をしていてお仕事を途中解除したり、お仕事を更新しなかったりする場合は、原則30日前までに予告すること。
フリーランス保護新法についてのより詳細な内容は、関係省庁のホームページでも分かります。
【関係省庁】
- 公正取引委員会
- 中小企業庁
- 厚生労働省
フリーランス保護新法に違反すると?
フリーランス保護新法に違反した場合は、発注事業者はどんなペナルティを受けるのか。
フリーランス保護新法に違反すると、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省が指導したり立ち入り検査をしたりし、行政指導をします。
発注事業者が立ち入り検査の拒否や命令違反をした場合は、50万円以下の罰金になります。
フリーランス・トラブル110番はフリーランスの味方
令和2年11月から、内閣官房・公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省と第二東京弁護士会が連携して、「フリーランス・トラブル110番」を運営しています。
「フリーランス・トラブル110番」はフリーランスで働く人が契約や業務でトラブルが起きた時に、無料で弁護士に相談できます。
フリーランスは労働基準法上では労働者ではないとされていますが、職種によっては労働者だと判断される場合があります。
自分が労働者に該当する場合は相談ができますので、とりあえずは「フリーランス・トラブル110番」に相談してみましょう。
フリーランスで労働者に該当する職業の例として、
- 美容師
- トラック運転手
- フードコーディネーター
- ネイリスト
- スポーツインストラクター
- フラワーコーディネーター
- 通訳
- WEBデザイナー
- アニメーター
- ダンサー
などがあります。
フリーランス・トラブル110番で相談できるトラブル例
「フリーランス・トラブル110番」で相談できるトラブル例は、
- はっきりと報酬がわからない状態で作業をさせられた。
- 口頭でのやりとりだけで契約書を作ってくれない。
- 暴言や暴力などにパワハラを受けた。
- 断るとお仕事を回されなくなった。
- セクハラ行為を強要された。
- 一方的に報酬を減額された。
- 理由をつけて報酬を払ってくれない。
- 納品したら発注事業者と連絡が取らなくなった。
などがあげられます。
フリーランス・トラブル110番の相談の流れ
「フリーランス・トラブル110番」へのトラブル相談は、電話やメール、対面やビデオ通話でできます。
秘密厳守なので、どんなことを相談しても安心です。
匿名でも可能なので、気軽に相談してみましょう。
「フリーランス・トラブル110番」の相談の流れは、下記となります。
- トラブル発生
- 電話かメールで相談
必要なら対面やビデオ通話で相談も可能です。 - トラブル解決に適した機関をご紹介
トラブル事情に応じて、下記のような機関が紹介されます。
- 訴訟や民事調停の場合は「裁判所の手続き」
- 労働関係法令違反の申告をする場合は「労働基準監督署」
- 和解をしたい人は「和解あっせん手続き」
- 独占禁止法や下請法の申告手続きなどは「公正取引委員会」
- 下請法上の申告手続きをしたい場合は「中小企業庁」
まとめ
フリーランスで働いていて、お仕事トラブルに巻き込まれた経験をした人はいると思います。
「今後のこれからの仕事もあるし、ここで事を荒立てたら困る」
そんな人もいるのではないでしょうか?
そんなフリーランスで働く人たちが、安心してお仕事ができる法律が「フリーランス保護新法」です。
報酬の支払いが遅れたり、納品物を受け取ってもらえなかったりなど、いろいろなトラブルがあると思います。
でも、これからは「フリーランス保護新法」の法律によって、安心して働くフリーランスが増えることが期待できます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。